« 「越中源氏」-「美しきがゆえに・・・」デッサン⑥ | トップページ | 「越中源氏」-「走馬燈 女たちの深き欲望」デッサン① »

2022年6月 4日 (土)

「越中源氏」-「美しきがゆえに・・・」デッサン⑦

 ゆりっぺの話は、このような類の話が多すぎる。最近では近くの老「B級芸能人」が集まって作った「劇団」の公募の知らせを地域の広報誌で見て、ゆりっぺが突然、応募した。マンションはあるし、父母からの遺産は充分残されているので、老後ゆりっぺは悠々自適である。昔から芝居を見てきたので、審査眼は充分にある。そこで死ぬ前に自分も舞台に立ちたいと思ったのだ。
 応募を受けた劇団はまさか、これほど上品な奥様が来るとは予想だにしていなかった。ゆりっぺは日本舞踊の師匠である母から着物の着方、踊りの所作などを小さなころから教え込まれているので、他の半アマチュアである劇団員の中では際立って目立った。劇団に来てすぐに時代劇で大役がついた。面白くないのは古参の女性劇団員である。「美しいがゆえ」にゆりっぺが来てすぐにやめる人や、ゆりっぺに嫌がらせをするベテラン劇団員もいた。その反面、相好を崩して喜んだのは劇団主である老芸人たちである。

 さりげなく、ゆりっぺの体に触ったり、「結婚しょうよ」と脈絡もなく、ゆりっぺの傍でつぶやいたり、お爺さんたちはゆりっぺが劇団に入ってから急に色気づいた。ゆりっぺはそんな爺たちを嫌がるわけでなく、ニコニコ受け入れていた。理由を聞いてみると「女というのはこの年なっても 、『結婚しようよ』と言われたらドキドキするものよ」と、たいそう喜んでいる。
 義父も94歳で大往生を遂げ、ゆりっぺたちも介護で大変だったらしいが、「美しいがゆえ」に義父がゆりっぺにセクハラして、心底困ったらしい。でも、邪険にすると遺産分配の時にしっぺ返しが来るので、ゆりっぺは長男の嫁に世話をさせ、危機を乗り越えたらしい。ゆりっぺが芝居の道に入ったのも、渋谷アップリンク「11AM劇場」に来れるようになったのも、義父の葬式以降、心のゆとりが出来てからだ。

 歌舞伎町二丁目ラブホテル「フランセ・パリ」で今までの事を洗いざらい吐き出してもらい、ゆりっぺとこれからどう付きあって行こうか、ボクも悩んだ。確かにゆりっぺは古希になっても、まだまだ色香は残っている。彼女と歩いていても、周りの人は振り返る。
 しかし、女性と長く付き合ってきたボクは以下の三点で引っかかるところがある。
 1-2度の出産と4度の堕胎で体はもうガタガタではないのか?以前、フエリス女子大を出た美女と付き合ったことがある。大隈講堂傍にある演劇サークルに群がる女子学生だったが、離婚後、たまたま会い、高田馬場にあった彼女のアパートで酒を飲んだ後に合体した。子供たちは両親に預け、またまた早稲田OBを狙って、婚活しているようだった。まだ30歳前後で容色は劣ろえていなかったが、裸にすると、乳房は垂れ下がり、二人の子供に吸われた大きな乳首は真黒で、かんじんの「女性自身」は大きく広がり、入れている実感は全く得れなかった。その体験が生々しいからゆりっぺとSEXすることは躊躇いがあった。
 2-60歳代に入ったゆりっぺが幼馴染と、広島-宮島神社へお参りに行き、ホテルで夜合体を試みたが、「女性自身」からの出血が止まらず、SEX出来なかった告白を聞き、せっかくの艶麗なゆりっぺとは最後まで行けない、恐れをついつい考えた。
 3-ゆりっぺの夫のことだ。いくら「家庭内別居」とはいえ、法律的にはまだ夫である。もし、万難を排し、ゆりっぺと合体し、これからも月1~2回付き合っていくならば、当然夫から「不倫」の「請求書」がボクの所へ届けられる。夫は経験者だから、すぐ出すだろう。相場は約200万円。それだけの金額のお金は今用意できない。

 あれこれ悩んでいると、ゆりっぺが断を下す。「意気地なし。根性もないのに、私を抱こうとして。今から帰るから」
 
 その夜、ゆりっぺからメールが届いた。
 「あんたたち、田舎っぺが東京に来るから東京は住みにくくなるのよ」

 ゆりっぺは怒ると、毒々しい言葉を吐き散らかしてきた。
 夫の不倫相手に「秋田出身、高卒」
 ゆりっぺの10年間の愛人・東工大助手へ「田舎っぺ、イモ」
 短大卒の妹へ「頭が悪すぎる、私の遺産配分を狙っている」
 母へ「父を取られると思っていた。だから私に邪険だった」
 夫の第二の不倫相手(小学校同級生)へ「ケバい化粧のブス」

 見るからに上品な百合子は、今日も何処かで喚き散らかしているのだろうか?
 「女は排泄便所ではないのよ。私の青春を 返して!」

 でも諸悪の「根源」である夫とは、家庭内別居を続けながら、決して離婚をしない。  

« 「越中源氏」-「美しきがゆえに・・・」デッサン⑥ | トップページ | 「越中源氏」-「走馬燈 女たちの深き欲望」デッサン① »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 「越中源氏」-「美しきがゆえに・・・」デッサン⑥ | トップページ | 「越中源氏」-「走馬燈 女たちの深き欲望」デッサン① »