「裏歌舞伎町」に、こんな奇奇怪怪なアパートが実際、現存している
百人町1丁目、大久保1丁目のいわゆる「裏歌舞伎町」の総武線に沿って、荒れ果てた奇奇怪怪なアパートが実際にある。場末にひっそりとあるから、気付かづに通り過ぎる人も多いと思う。アパ-トの表札も日本人名は少ない。大半が金、申等の朝鮮半島の名前が多い。
1階は作業場になっているが、締めっ放しで、外から何もわからない。ただ、飲み屋があるのには驚いた。2階は居住スペースだが、まず階段が錆付き、上るのが怖い。1,2階とも、廃墟に近いが、まだまだ人は住んでいるようだ。
ここは、「裏歌舞伎町」の先行研究者に教えてもらった。元々は現在の西新宿保健センターの敷地に不法占拠していた朝鮮人バタヤ部落の人たちを、東京オリンピック(64年)を契機に立ち退いてもらうために、新宿区が65年4月1日に大至急作った「新宿区立百人町作業宿泊所」なのである。
ゼンリンの地図には「百人町区営アパ-ト」と明記してあるが、これは「嘘」である。先行研究者も見事に騙され、ぼくに「区営アパート」と紹介している。普通だったら「区営アパート」と入り口にあるのだが、見事何も無く、新宿区役所までわざわざ行き、「裏」を取った。
正式名が「新宿区立百人町作業宿泊所」で、「区内に居住する者に対し、住居及び就業の場所を与え、生活の安定を図り、その自立を助長することを目的とする」のが、当初の目的であった。
居住室 23室(和室・流しトイレ) 15年4月1日現在 18室稼動 閉鎖3室
作業室 15室(作業室・流しトイレ) 15年4月1日現在 12室稼動 閉鎖2室
使用料 一箇月 2,300円~6、600円
元々は応急的な処置として作ったもので、約50年も使用するとは当時の新宿区の担当者も考えていなかったのだろう。建物自体が耐用年数を経て、大きな地震が来たら100%崩壊するだろう。一刻の猶予も無く、建物を取り壊し、新築しなければならない。新宿区と言う公的建物だったら、余計にいそがなければならない。
不思議なのは住んでいる人たちである。何故、新宿区に申し入れをしないのだろうか?もう人間が住むところではない。1月2,300円~6,600円の信じられない低料金の前に納得しているのだろうか?
65年にここに移るために闘った住民たちの多くは、もう死んだり、北朝鮮に帰ったりしたと推定される。残っているのは子どもたちや縁者が多い。現在の公営住宅では奥さんには亭主が死んでも使用権を認めるが、子供たちは出て行ってもらっている。
「新宿区百人町作業宿泊所」の場合は、どうなっているのだろうか?
この古びた「宿泊所」の中にある、一際新しい飲み屋の前で、在日朝鮮人と日本人のこれからの関係を考えこまざるを得なかった・・・
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